#003:Windowsの歴史とマイクロソフトの戦略

こんにちは!
武器としてITを活用する文系ITポッドキャスト ナビゲーター、株式会社インフィニティ代表の大畑祐貴です。アシスタントの田中美咲さんと一緒に、今回はWindowsの歴史に迫ります。

今日のテーマ:Windowsの歴史とマイクロソフトの戦略

いま私たちがパソコンを使うとき、マウスでアイコンをクリックするのは当たり前の光景ですよね。でも、Windowsが登場する前はまったく違いました。画面は真っ黒。そこに「COPY A: B:」なんて呪文のような文字を正確に打ち込まないと、何も動かない世界。これが「MS-DOS」というOSの時代で、初心者にはとても手の届かない“専門家だけの道具”だったんです。


夢を描いたビル・ゲイツ

そんな世界を変えたのが、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツでした。
彼の夢はシンプルで壮大なものでした。

「すべての人の机の上に、そしてすべての家庭にコンピューターを」

その夢を叶えるために必要だったのが、呪文ではなく“直感的に操作できる仕組み”。
そこで登場したのが Windows です。


コンピューターが人間に歩み寄った瞬間

Windowsは「GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)」を採用しました。
文字ではなく“絵=アイコン”をマウスでカチッと操作できるようになったんです。

それはまるで、コンピューターが人間の言葉に合わせてくれた瞬間でした。
専門家しか使えなかったパソコンが、一般の人の手にも届き始めたんですね。


世界を変えた「Windows95」

そして1995年。歴史を塗り替える大事件が起きます。

Windows95の発売。

発売日には深夜から人々が列をつくり、テレビではローリング・ストーンズの「Start Me Up」が流れ、世界中がこのソフトを祝う「お祭り」状態になりました。ただのソフトウェアの発売が、カルチャーになった瞬間だったんです。


マイクロソフトの天才的な戦略

でも、ここで疑問が残ります。「なぜWindowsはそこまで爆発的に広まったのか?」

その秘密はマイクロソフトの戦略にありました。彼らはWindowsを単なる製品として売ったのではなく、 “巨大なショッピングモール” に見立てたんです。

  • モールの建物 → Windows
  • そこで商売する店舗 → 世界中のソフトウェア会社のアプリ

マイクロソフトは「Windowsというモールには、世界中からお客さんが集まる」と宣言し、ソフト会社を次々と呼び込んでいきました。


エコシステムが生んだ循環

ソフト会社が増えるほど、ユーザーは「Windowsを選べば、便利なソフトがたくさん使える」と思うようになります。するとさらにユーザーが集まり、ソフト会社もまた参入する…。

この循環を意図的につくり出したのが、マイクロソフトのプラットフォーム戦略でした。

さらに彼らは、自分たちでも人気店を出店します。それが WordやExcel といった「マイクロソフトオフィス」。仕事をする上で欠かせない必須ソフトを自ら提供することで、Windowsの価値は圧倒的に高まったのです。


専門家の道具から、誰もが使うプラットフォームへ

こうしてマイクロソフトは、コンピューターを専門家だけのものから、ビジネスにも家庭にも不可欠な存在へと変えていきました。単なる技術革新ではなく、「場をデザインし、エコシステムを育てる」という戦略の勝利だったんです。


今日の問いかけ

あなたが新しいプラットフォームをゼロから作るとしたら、どんな場をデザインし、誰に集まってもらい、そこでどんな価値を生み出しますか?

ぜひ想像してみてください。


次回予告

次回は「魔法のように世界をつなぐ、インターネットの仕組み」についてお届けします!

大畑 祐貴

(株)インフィニティ 代表取締役。文系として、わかりやすくITを説明し、武器として活用してもらうコンサルティングを行っています。

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